「まだまだ元気でいたい」「ひ孫の顔を見たい」――そんな願いを、口にしたことはありますか?
長生きすることが特別ではなくなった今、私たちが大切にしたいのは“何歳まで生きるか”ではなく、“何歳まで元気でいられるか”。
その鍵となるのが、「健康寿命」です。
🩵 健康寿命とは?平均寿命とのちがい
「健康寿命」という言葉を耳にしたことはありますか?
これは、介護や手助けを受けずに、自分の力で生活できる期間を意味します。
厚生労働省でも「健康寿命=心身ともに自立して生活できる期間」と定義しています。
一方の「平均寿命」は、亡くなるまでの年齢を表します。
つまり平均寿命には、元気に過ごす時間と、介護や医療の支えが必要になる時間の両方が含まれているのです。
たとえば――
平均寿命が85歳で、健康寿命が75歳だとしたら、最後の10年ほどは何らかの支援を受けて暮らす可能性があるということになります。
この“10年の差”をできるだけ短くすることが、健康寿命をのばすことにつながります。
つまり、「長く生きる」から「元気に生きる」へ――。
それが、これからの時代のテーマです。
📊 最新データで見る日本の健康寿命
厚生労働省の推計(2022年)(出典:厚生労働省「健康寿命の令和4年推計値」)
によると、次のような結果が出ています。
- 男性の平均寿命:81.05歳
- 男性の健康寿命:72.68歳
- 女性の平均寿命:87.09歳
- 女性の健康寿命:75.38歳
男女ともに「健康寿命」と「平均寿命」のあいだには約8〜12年の差があります。
この期間は「生きているけれど、元気ではない時間」とも言えます。
ただし、この差は“努力次第で縮められる”もの。
食事・運動・睡眠・人とのつながりなど、日々の生活習慣の積み重ねで変わります。
つまり、今からの工夫が将来の「元気な時間」を左右するのです。
👩🦳 男女でちがう「健康寿命」の意味
日本では昔から女性のほうが長生きする傾向があります。
そのため、健康寿命も女性のほうが長いのですが――
同時に、「介護や支援が必要な期間」も女性のほうが長くなる傾向があります。
一方、男性は寿命自体が短めですが、介護を受ける期間は比較的短いことが多いといわれます。
つまり、
- 男性にとっての課題は「できるだけ長く元気に過ごすこと」
- 女性にとっての課題は「支援が必要な期間を短くすること」
この違いを知ることで、家族それぞれが自分の健康目標を持ちやすくなります。
🧠 「平均寿命との差」は未来へのサイン

平均寿命と健康寿命の差――つまり、**支援が必要になる“約10年”**は、決して避けられない運命ではありません。
同じ80代でも、海外旅行を楽しむ人もいれば、寝たきりに近い生活を送る人もいます。
差を生んでいるのは、「日々の習慣」と「病気の早期発見」です。
厚生労働省も「健康寿命をのばすことは、本人だけでなく家族の生活の質を守ることにもつながる」と発表しています。
つまりこの“10年の差”は、「生活を見直すサイン」でもあるのです。
たとえば――
- 軽い運動を日課にする
- 栄養バランスを意識する
- 友人や家族と会う時間をつくる
こうした小さな積み重ねが、未来の健康寿命を確実にのばしていきます。
食事は毎日の積み重ねが健康寿命を大きく左右します。
厚生労働省が示す「食事バランスガイド」では、主食・主菜・副菜をそろえることが推奨されています。
特に高齢世代にとっては、魚や野菜を意識して取り入れ、塩分を控えることが長生きにつながる大切なポイントです。
難しく考える必要はなく、例えば「ご飯+魚+野菜の副菜」を基本にすれば十分です。少しずつ習慣に取り入れることで、健康寿命をのばすことができます。
(出典:厚生労働省「食事バランスガイド」)
👣 年齢ごとに見えてくる「健康寿命のリアル」
健康寿命というと、「老後の話」と感じる人も多いかもしれません。
でも実際には、今の生活が未来の健康を作っているのです。
- 60代:多くの人が自立して活動できる
- 70代:体力や持病の影響が少しずつ出てくる
- 80代:介助を必要とする人の割合が増える
つまり「まだ平均寿命までは遠い」と思っても、健康寿命はその手前で終わってしまう可能性があります。
しかし希望もあります。健康寿命は“突然終わる”ものではなく、生活習慣でゆるやかに変えられるのです。
少しずつでも、体を動かす・食事を整える・社会と関わる――この3つを意識するだけで、未来の姿は変わります。
🌏 世界と比べた日本人の健康寿命
WHO(世界保健機関)の指標「Healthy Life Expectancy(HALE)」によると、日本人の健康寿命は世界トップクラス。
男女ともに「長生きする」だけでなく「元気に長生きする」国なのです。
これは、医療制度の充実や和食中心の食文化などが関係しています。
しかし、課題もあります。
日本は“長く生きる”分、「健康寿命と平均寿命の差」が大きいのです。
女性ではその差が10年以上にもなります。
一方で、スウェーデンやデンマークなど北欧諸国は寿命こそ日本より短いものの、健康寿命との差が小さいことが特徴です。
つまり「亡くなる直前まで元気な人」が多い国。
日本が今後めざすべき姿は、まさにこの“差を縮める”ことにあります。
💬 「ひ孫に会える確率」を高めるために

ここまで見てきたように、健康寿命をのばすことは単なる健康の話ではなく、家族の幸せの話でもあります。
どんなに長生きしても、寝たきりの時間が長ければ「ひ孫に会って抱っこする」ことは難しいかもしれません。
一方で、75歳でも80歳でも元気に動ける人なら、家族の集まりに笑顔で参加できるでしょう。
それこそが“幸せな長生き”です。
健康寿命をのばすカギは、「特別なことをする」ではなく「日常を少し工夫する」こと。
その積み重ねが、未来の笑顔をつくります。
🌿 次回予告:無理なく続けられる“健康寿命アップ習慣”とは?
健康寿命をのばすヒントを知ったあとは、実際に「どう行動するか」が大切です。
次回の【Vol.2 後編】では、食事・運動・睡眠・人とのつながりなど、
今日からできる“元気の習慣”をわかりやすく紹介します。
無理をせず、楽しみながら健康寿命をのばすコツを一緒に見ていきましょう。
👉 【Vol.2 後編】今日からできる“健康寿命をのばす”5つのコツ――無理なく続く元気の習慣
✨ シリーズまとめはこちら
👉 【ひ孫に会える確率】 連載まとめ

